仕訳の話シリーズ~給与、社会保険関連~

こんにちは。AZ経営サポート株式会社/税理士事務所の東屋(あずまや)です。

今日は仕訳の話!

目次

仕訳の話

僕は公認会計士試験に合格して税理士に登録したパターンです。監査法人時代は、半分出向みたいな形で事業会社にいたこともありましたが、仕訳を毎日きっていたわけではありません。税理士事務所時代に記帳代行もするようになり「あー自分は仕訳を全然わかってないなぁ。」と思い、1から勉強しなおしました。そもそも僕は簿記3級も持っていないせいもあったかもしれません。受験時代も大量に仕訳をきっていましたが、いかんせん実務に即していないため、実用的ではないものも多いです。監査法人にいたままだったら、受験テキストに載っている仕訳をすべてとして生きていたかもしれませんw

ですので、同じような環境の方、また経理初心者の方、また自分自身で経理をされているような会社の社長に、参考になればいいなぁと思い、定期的に仕訳の話をしていきたいと思います。

給与、社会保険の話

お客様から一番質問が多いのが給与関連の仕訳です。あくまで東屋調べですが。

苦手な会計士の方も多いのでは?と感じています。内部統制の時に検証することはあっても年に1回ですし、忘れますよね。僕自身そうでした。

給与関連は社会保険が絡んでくるのでややこしいです!社会保険は社会保険労務士の分野ですが、当然税理士も知っていると思われており質問が多いです。お客さんからしたら社労士も税理士も会計士も関係ないですからね。

論点

給与仕訳に関しては論点が盛りだくさんです。

①従業員負担の社会保険の勘定科目

②従業員負担の雇用保険の勘定科目

③社会保険が当月徴収翌月納付なのか、翌月徴収翌月納付なのか

④従業員分も、預り時点で、会社負担の法定福利費と合わせて未払金とするか等

今回の仕訳の話では①について話をします。②は法定福利費、③は翌月徴収翌月納付、④は支払時まで預り金勘定を残しておく前提で話を進めます。

この時点で混乱しますよねw

僕もそうでしたので、再度ゆっくり前提を理解できるまで読んでいただければと思います。

理解できない社長さんは税理士に全部記帳代行も頼みましょう!苦手なことにリソース割くのは勿体ないと思う派ですので。ヒソカの言葉を借りるなら、メモリの無駄遣いですよね。

給与の仕訳

さて、色々な会社を見てきましたが、大きく分けて2パターンあるなと。

末締め、翌月25日払いを想定しています。今回は7月末締め8/25払いとしましょう。

また社会保険の負担を従業員10,000円、会社負担10,000円としています。(実際は少し異なります。)

パターン1:従業員負担の社会保険を預り金で仕訳するパターン

7/31の仕訳

科目 補助 金額 科目 補助 金額
給与     未払給与    
      預り金 源泉  
      預り金 住民税  
      預り金 社会保険 10,000
      法定福利費 雇用保険  

パターン2:従業員負担の社会保険を法定福利費で仕訳するパターン

科目 補助 金額 科目 補助 金額
給与     未払給与    
      預り金 源泉  
      預り金 住民税  
      預り金 社会保険 10,000
      法定福利費 雇用保険  

パターン1の場合

パターン1-1:この場合、7/31に下記仕訳が入ります。これは会社負担分です。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
法定福利費   10,000 未払金   10,000

そして8/31の社会保険納付時に下記仕訳がきられます。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
預り金 社会保険 10,000 現預金   20,000
未払金   10,000      

パターン1-2:簡便的に7/31に仕訳をきらず、8/31に下記仕訳をきる会社もあります。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
預り金 社会保険 10,000 現預金   20,000
法定福利費   10,000      

 

パターン2の場合

パターン2-1:この場合も7/31に下記仕訳が入ります。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
法定福利費   10,000 未払金   10,000

 

そして8/31の社会保険納付時に下記仕訳がきられます。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
法定福利費   10,000 現預金   20,000
未払金   10,000      

パターン2-2簡便的に7/31に仕訳をきらず、8/31に下記仕訳をきる会社もあります。

科目 補助 金額 科目 補助 金額
法定福利費   20,000 現預金   20,000

PLの違い

上記仕訳の法定福利費(雇用保険は無視)だけで考えると月次PLに少し違いが出ます。ただ初月だけの話で、次の月からはすべての方法で法定福利費が10,000円となるのでさほど気にしなくてもいいです。ただ翌月末休みで納付が翌々月初になると気持ち悪くはなります。

7月PL

1-1は法定福利費10,000

1-2,2-1は法定福利費0

2-2は法定福利費-10,000

8月PL

1-1は法定福利費0

1-2,2-1は法定福利費10,000

2-2は法定福利費20,000

どれがおすすめ?

理論的には1-1が正しいと思いますが、2-2が一番楽かと思います。

7/31に会社負担分を計上するのは翌月の納付額を確認してからの方が確実ですが、それをしていると月次決算が遅くなります。

概算で計上したらいいやん!と思われるかもしれませんが、それならもはや2-2でいいやん!とも思ってしまいます。

ですので、上記をしっかり説明しつつ僕は2-2をおすすめすることが多いです。もちろん期末だけは会社負担分の仕訳を入れるのは忘れません!

仕訳の話も気軽に税理士に確認できるような関係がいいですよね。

それでは良いお盆休みを!

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