プロパー融資と保証協会付き融資

4大監査法人で監査をしていたころには全く聞いたことがなかった保証協会というワード。
実際の中小企業であれば当然のように使用されるワードのため、このあたりに中小企業が公認会計士をあまり使わない理由があるのかもしれません。

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保証協会付き融資

順番が逆になりますが、まずはこちらから。というのも、保証協会付き融資以外はプロパー融資だからです。
保証協会とは 簡単に言えば、借手が倒産した場合に、借手の代わりに銀行に借入金の大部分を返済してくれる協会のことです。

保証協会が立替えてくれたお金は、最終的に経営者が保証協会に支払うことになるので、あくまで立替です。ですが、銀行からすれば貸し倒れるリスクが低くなるため、銀行側は「中小企業には保証協会付き融資でなければ融資は出せない」と言ったりもします。

では、保証協会はどこで利ザヤを取るのでしょうか?それは中小企業から保証料というものを取りますので、ここで利ザヤを取っています。だいたい借入金額の1.5%くらいです。 保証協会はあくまで銀行と話しあうため、借入側である中小企業ではなく、直接銀行から保証料分の現金を抜いていくイメージです。ですので中小企業に入金されるお金は保証料を抜かれた金額ということになります。

また、保証料は基本的には全額前払のため、正しい会計処理をしている保証協会付き融資がある企業は、前払費用や長期前払費用で保証料が計上されています。一度見てみてください。

プロパー融資

プロパー融資とは前述の保証協会付き融資以外のことを言います。 つまり、借手が倒産すれば銀行がリスクを丸被りすることになるため、銀行は信用度が高い企業にしかプロパー融資はしません。

私が監査していたクライアントの皆様は、当然プロパー融資でしたので、世間一般で見た場合では立派な企業さんやったんやなぁとしみじみ思う今日この頃です。このあたり監査法人の経験が長ければ長いほど、世間一般の常識とはズレてきてしまいます。

銀行とのかけひき

銀行は保証協会付き融資、中小企業はプロパー融資をしてほしいわけです。中小企業からしたら保証協会付き融資は、融資の出やすさ以外にメリットはありません。

同じ財務諸表を提出しても、銀行への説明のうまさや、銀行への対応によってプロパー融資の出やすさは変わります。 また、企業実態は同じでも、財務諸表の見せ方一つでプロパー融資の出やすさは変わります。

一度顧問税理士に相談して、グッとくるアドバイスがもらえない場合は是非一度お声がけください。必ずお役に立てると思いますので。

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